コロナだからか立て続けに仕事が延期になったり無くなったりしまして、また外出もできなくて時間を持て余したので、以前つくった紅の豚 サボイアS.21F 後期型 ポルコ立像付 FJ3(1/72)を使って大作(オレ史上)ジオラマを作りました。
映画を観ている方には分かるかと思いますが、ピッコロ社の前にある疎水から脱出して輸送船?をすんでで避けるシーンを再現。色々とこちらのご都合で変えてます。大きなところだと、翼が水面に着くのは船を超えた後だし、船もふた回りほど大きいです。そこは面白さとバランス重視なのでご了承を。
船は自作しました。漁船みたいなのがあればよかったんですが、そもそも1/72のスケールの船がなかったので、プラ板やプラ棒などを切って貼ってして作りました。簡単に説明してますが、このジオラマの半分くらいはこれに時間を割いたくらい手間がかかってます。作業を想像するだけで面倒臭くなって途中挫折(数日放置)しました。
船首が水の抵抗を受けすぎるありえない形になってますが、見せたいところではないから手を抜きました。船体にあるリベット(鋲)?は「球ぐり」という工具を使って0.5mmの球をプラ板から100個以上つくり貼り付けました。かなり苦労しましたが、これがなかったら余計にショボさ目立つのやった甲斐はありました。
あと、両サイドにある緩衝タイヤはガチャガチャのジムニーのタイヤをプラリペアで複製しました。プラリペアはちょっと高いのでそのまま使ってもよかったんですが、別で使う予定があったのと、ガチャガチャが見つからなかったら嫌だった(コロナでお店が閉まっていて確認できない)ので複製しました。
映画に近いカット。我ながらなかなか迫力のある写真ですねー。PCなどの大きな画面で見て欲しいんですが、作りの荒さがバレてしまいますね。ちゃんとおじさんのヒゲも描いてます。
船内もしっかり作りました。手前に碇の巻き取り装置?。その奥に港に繋ぐロープ。右端にバケツと雑巾です。
映画をコマ送りで見ても何だか分からないのでかなり適当に作成。船の左右にも何かあったのですがよく分からないので割愛しました。
びっくりしている二人はかなり映画に忠実に作りました。
こちらも自作で、エポパテで大まかに形を作って削っては盛り、削っては盛りしました。箱はプラ棒、その左右にあるドラム缶はプラパイプとプラ板で作成。足元はよく分からないのでここはさらに適当。
ここで、船が小さいことに気づいてしまって。これだとヘリに乗らないと船首の方に行けないし、ドラム缶も無理に入れたのでかなり小さくなってしまった。
土手にいるのは驚いている自分と、ビビって裏に隠れている故犬(ちろ)。こちらも先の二人と同じ方法で作成。
犬は冬毛でもこんなに太くならないのですが、これ以上細く(1mm)すると折れそうなので妥協。リードは釣り糸です。この大きさで見ると荒く見えますが、人が100円玉くらいのサイズ(1/72)なので無問題です。
土手に生えている雑草は、スポンジ(荒さが違う3層)を細かく千切ってラッカーで染めたものです。色や素材を組み合わせるだけで簡単にそれっぽくなりました。
最後に全体がわかる俯瞰ショット。最初はもう一回り小さかったんですが対岸が無いと疎水と分からないし、なぜこんな避け方するのか説得力が出ないので、後から大きくしました。大きさが足りず謎のピラミッドにも見えてしまいましたが。
水の表現方法
- 川底を作る
今回のような透明度のない場合は適当でOK。少し濃い色にすると良いかも。 - 囲いを作る
囲まれていないジオラマなので、100均のクリアファイルなどで土手をつくる。隙間があるとダダ漏れになるので、ガチガチにテーピングしボンド(後で綺麗に取れるゴム系)で補強。 - 水面を張る(テスター)
今回ディープウォーターを使ったけど、ここまで不透明になるなら必要ない(正規の水底カラーの代わりにアクリル塗料を使ったのがまずかったのか?)。グロスポリマーメディウムを川上に厚めに塗り、川下に向かってエアブラシで風を送って水の動きを付ける。また、同時に乾燥の確認にテスター(適当なプラ板に同様の処理を施す)を作成。一度の厚さは3mmほどが限界らしく、厚すぎると乾かず白く濁ってしまうので注意。 - ゴミ・気泡処理
必ずといって良いほどゴミや気泡が入るので爪楊枝などで取る。時間が経ってから気泡が出てくることがあるので30分間隔で確認。事前にテスターでつついて大丈夫か確認する。まだここから上塗りするのでそこまで神経質にならなくてOK。 - 乾燥
乾燥中はゴミが付かないようにアルミホイルでふわっと包んでおく。半日ほどでほぼ固まるが触ると指紋が付くので注意。ここでもテスターが活躍する。乾燥場所の傾きも要確認。携帯などで水平(狙いの角度)になっているか事前に確認しておく(今回それで失敗しました)。 - 修正
気に入らない箇所があればグロスポリマーメディウムを上塗り。塗っていないところと差が出来てしまうが最後に仕上げをするので気にしない。 - 波作り
船首の波の立ち上がりや排水溝のところの透明な部分は、グロスポリマーメディウムをプラ板などの適当なツルツルしたところ平らにすこし厚目に塗り(置き)ます。で、それを必要なサイズに切って、接地面にアクリル溶剤で溶かしてくっつけます。透明度を求めないのならジェルメディウムやヘビージェルメディウムの方が硬いのでそっち方が使いやすかったかも。 - 波泡作り
波ができる根元にジェルメディウムを多めに置く。波の動きを意識しながら大胆に延ばしていく。どうせ透明になるし、今回、不透明な水だから余計に適当でも問題ない。さらに根元にジェルメディウムと情景テスクチャーペイント (雪 ホワイト) を3:1で混ぜたものを、さらに盛り上げたいところには情景テスクチャーペイント (雪 ホワイト) をそのまま塗りグラデーションを作る。最後に歯ブラシのようなもので叩いて凸凹を付けて泡の表情を付ける。 - 水煙作り
100均のぬいぐるみ用の綿で形を作りジェルメディウムで上っ面を表情をつけると、綿(安物)感が無くなりキラキラ光ってそれっぽくなります。盛り上げたいところも綿を使うと良いです。 - 仕上げ
これまで使ったメディウム系はすべてアクリルで出来ているので、気になるところはアクリル溶剤で溶かし調整可能。ただ、どんなに磨いても鏡面にはならないので、鏡面にしたい場合は薄くグロスポリマーメディウムを塗ればOK。ただ、これは自分で思いついた方法なので、経年劣化など今後どうなるかは不明。
反省点
- 船の構造の研究不足
船首や大きさなどがおかしい。言い訳するとネットで探しても世界大戦時の船のことなんて載ってないっつーの。 - レイアウト変更による工数増加
やってみないと分からない想像力の欠如。むしろ妥協しなかったことを褒めてあげたい。 - ケチってしまった失敗
高価な水素材(ディープウォーター)の色が濃いとわかっていながらそのまま使ってしまい、無駄にしただけでなく完成度も低くなってしまった。
まとめ
いろいろ初めてのこともあって失敗や不満は多いけど、動きのあるシーンを切り抜いたのがよかった。
次回はもっと透明度の高い水の表現をしてみたい。あまり精度は求めずにガンガン数をこなすのが上達のコツだと思います。
まあ、やってて楽しければ、それだけでも良いんですけどね。作っている最中は嫌なこと(コロナ)も一時ですが忘れられましたし。